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sampanchanya
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ひとつ前の記事で隣家の儀式が不快ということを書いたが、
隣家のひとはとてもいい人である。
顔を合わせることは少ないが、顔を合わせるとにっこり笑って話しかけてくれる。
たわいのない話だが、その都度嬉しいものだ。
しかし何よりも嬉しかったのは、この家に引っ越してきて間もない頃のことだ。

この家に引っ越してきて一月余り経った頃、我が家の入っている建物の配電盤が爆発した。
その日、出かけた先から戻ってきて部屋の椅子に腰を掛けたのもつかの間、
外が騒々しいなと思い、ベランダに出ると、下から黒煙がモクモクと上がっており(うちは3階です)、うちの入っている建物を囲うようにして野次馬が大勢集まっている。
幸いに火事には至らなかったが、その後1週間に渡って停電が続いた。
外に出て、一階に住む大家さんと真っ黒に焦げた配電盤を見ながら話をしていると、
隣家のおばさんが、

「電気がなくて困るでしょう。うちの3階、ちょうどあなたの部屋の隣に空き部屋があるから復旧するまで暫く住んでもいいわよ。」

と言ってくれた。
その時までにはまだその隣家のおばさんとは、数度しか顔を合わせたことがなく、挨拶以上の会話をしたこともなかった。
そんな何も知らない他人に遠慮しないでいらっしゃいと声を掛けてくれたのだ。

カンボジアには日本と同じように社交辞令や建前の言葉がある。
しかし、あの時のおばさんの言葉が建前であろうとなかろうと、
屈託のない笑顔で声を掛けてくれたことは私にとって本当なのである。
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